[Zuka] 『風共』考(7)-僕はずっと、いつだって一人だったんだから

宙組新人公演い向けて、ウィズたからづか11月号のフェアリーインタビューは、蒼羽りくでした。日刊スポーツの『プレシャス!宝塚』にもインタビューが掲載されています。「ラストチャンス射止め「幸せ」/蒼羽りく – 」。新人公演で演じるレット・バトラー役への意気込みを語っています。

スピンオフができるとしたら、メラニーの物語を希望する。メラニーは善き人であろうと努力と忍耐を重ねる、「普通」の人だと思う。だからこそ、周囲はメラニーに敬意を表するのだよね。

メラニー@実咲 凜音の死で広間に駆け込んできたスカーレットが、レットの前を素通りして、アシュレに駆け寄る。アシュレの元に座り込むスカーレットを見て、レット・バトラー@凰稀 かなめが全身で醸し出す絶望。悲しみと諦めと悔しさと淋しさ。観ているほうがやるせなくなる。

アシュレの生きる希望であり、スカーレットの闘争心を刺激する存在であり、レットの善き友であった、メラニー。彼女の存在が、この三人の均衡を保っていた。メラニーの死をきっかけに、レット・バトラーの心の中で、どんな変化が起きたのか。彼はスカーレットと別れる決意を固める。 

 スカーレット、そういう風に君は子供なんだよ。

君は「すみません」と謝りさえすれば、長い間の悩みや苦しみが
立ちどころに人の心から消え去り、心の傷が治ると思っている。

僕はね、スカーレット、
壊れた欠片を辛抱強く拾い集め、それを糊で繋ぎ合わせ、繋ぎ合わせさえすせば
新しいものと同じだと思うような人間ではないんだよ。

壊れたものは壊れたものさ。

僕はそれを繋ぎ合わせるよりも、むしろ新しかった時のことを追憶していたいんだ。
そして一生、その壊れていた所を眺めていたいんだ。

一言一言を噛みしめるように、レット・バトラー@凰稀 かなめはスカーレットに言い聞かせる。レット・バトラーの生き方をすべて表している幕切れ。

立ち去っていくバトラーを見ながら、凰稀 さんは素敵なトップさんになったなぁとしみじみ。

【以下は独り言】

 

 

スカーレットが立ち直れるかどうか、前を向いて歩き出せるかどうか、心配で心配でどこからか見守っていそうな気配があるレット・バトラー@凰稀 かなめ。スカーレットを猫可愛がりして甘やかしたのも、良くないんだと思うよ。「僕はずっと、いつだって一人だったんだから」。そんなことを言っていると、この先いつまでも一人ですよ!│ω・)