宝塚版『オーシャンズ11』【→花組版2回目感想】では、ヒロインのテスは、ラスベガスのホテル王ベネディクトに認められ、エコロジーをテーマにした新しいホテル「EDEN」のショー・スターに抜擢される。
日本のビジネスホテルで「環境保護のために」というと、アメニティグッズや寝間着が省略されているとかなのであるが、ベネディクトの「EDEN」はいったいどんなエコ・ホテルなのか。ベネディクトが紹介する「EDEN」の概要は、次のようなもの。
♪テーマは癒し♪ アルプスの水と同じ水が流れ、ホテルの庭には本物の森、
鳥がさえずり、樹になった果実はそのまま食べられる♪
どこがエコやねん!!!!!と、このフレーズを聴くたびに心の中で突っ込むあおき。
ホテル王ベネディクトの目的は、顧客にラスベガスのホテル・サービスを提供すること(その結果、利益を上げること)である。そしてベネディクトの「ラスベガス」は、元カノであるクイーン・ダイアナのマジック・ショーに象徴されるように豪華で華々しくきらびやかである。つまり、「エコロジー」はイメージ戦略に過ぎない。では、テスは?
テスは”エコロジー・ホテル”「EDEN」をどう思っているのか。
作中には全く出てこないので、以下は妄想&憶測なのだが、賢明なテスなので、看板通りのエコ・ホテルではないことは気づいているだろう。でも夢見たメジャー・デビューが出来るし、環境保護団体エバーグリーンに寄付をしてくれるというし・・てな感じだろうか。
それを欺まんとか打算というのは簡単なのだが、夫ダニーとは離婚を決意し、1人で生きていこうとしているテスが、人生最大のチャンスと思っても不思議ではない。(ショー・スターに抜擢されたと思ったら、もれなくベネディクトが付いてきて、びっくりって感じ?)
ちなみにベネディクト@望海風斗はクイーン・ダイアナ@桜一花の誇り高くしたたかでタフな女王様ぶりも気に入っいると思う。ステージ費用に、3万ドル要求されて嬉しそうだもん。ベネディクト・チームの秘書のベス @華耀 きらりやPARADISOの支配人テーラー@月央 和沙は、望海ベネディクトを尊敬して付き従っているように見えるし、望海ベネディクトはアメリカンな仕事人としては(←強調しておこう)まっとうな人でしょう。
ウィズたからづか3月号のフェエアリーインタビューで、だいもん(望海風斗)が、「ベネディクトは明るくてパッショネイト」と言っていて、ああ、やっぱりべにー(紅ゆずる@星組)の切れ味の良いナイフのようなベネディクトとは違う像を造っていると思いました。
(参考) ラスベガスには行ったことがないので、下記記事をご参照ください。
本物のラスベガスのカジノホテルの例→【BELLAGIO(ベラージオ)】【BALLY’S(バリーズ)】
「ラスベガスはエキサイティングで楽しい街であるべき で、ガソリンが無駄になるからと、リムジンに乗りたいという人々の夢を砕くわけにはいきません。
最高のサービスを期待するお客様に不便を強いることもでき ません。
もったいないからと、バフェから美味しい食べ物を減らすわけにもいきませんし、エネルギーが無駄だからと、アトラクションを廃止するわけにもいき ません。
それらは、この街に合った正しいやり方ではないと思います」【大手ホテルチェーンの環境対策度を元LV市長にインタビュー】
週刊ラスベガスニュース バックナンバー2007年 07月 25日号
それにしても、「エコロジー」という単語に、どこかしら、うさん臭いイメージがまとわりつきだしたのは、いつ頃からだろう。
たぶん科学からどんどん離れて政治的・運動的色合い濃くなったあたりからのような気がする。そっち方面でどんどん突き詰めていくと、本当に「地球に優しい」っていうのは、人類が滅びればいいんじゃね、的な話になっちゃうからね。発展的にならないんだよね。かといって政治と運動が不要かというと、それはまた走りすぎなので、どう釣り合いを取るかだと思う。「エコロジー」という単語は、意味する範囲が広すぎて方法論がいろいろ難しい。
そういう意味で、温室効果に焦点を絞った京都議定書の意義は重要だと思いまする。だけどエネルギー問題は、手に負えないので、この項目強制終了。