[Zuka] ときめきの方程式 七海ひろきさん

間違いなく、リアル男子とは違う、男役だからこその美しさをもった人なのだけれど、「ライバルは現実の男性たち」と言う彼女。カップルで劇場を訪れた男性に「敵わない!」と思わせられたらというぐらいなのですが、確かにそのときめかせ力はそんじょそこらの男性にはないものです。さてその源は?彼女をリアル男子よりも魅力的にしているものとは…。

「スターが見せるやさしさについて」ということで、かいちゃんが自分の優しさについて自己分析しています。男役への拘りを語っていて、男役愛が強くて相変わらずハングリーだなと思いましたが、中身はめっちゃかわいいアザラシなひとです。

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戦国の物語の最後を締めくくるのは美しい椿
【星組】七海ひろきさん

お衣装がテーマで、かいちゃんが選んだのは、『燃ゆる風』竹中半兵衛様の白地に青、椿が描かれた裃。”日本物の衣装は好きだというが、経験が多いわけではない”。そう、実は半兵衛様の開幕前はちょっと心配していた。開いてみたら、美しかった。劇中での踊りも日舞ではなく、いつもの振付(若央りさ、桜木涼介)だったのも良かったのだろうね。


私がかいちゃん(七海ひろき)のお芝居のどこにときめくかというと、役の創り方です。どんな役でも舞台、作品の流れの中に違和感なく存在する。それでいて、あ、こういう風に創ってきたんだ、と新鮮な感動を与えてくれる。観ていて心地よい。去年から舞台上の役割も増してきて、この人を観ていれば方向に迷うことはないくらいになっている。

『ベルリン、わが愛』でのニコラス・カウフマンという役は、バックグラウンドに乏しく、芝居上での役割も裏方に回りすぎていて、七海ひろきのスケールには役不足だったけれど、物づくりのプライドや表現することの愛を持ち、表現者達の拠り所の理解者であり、支援者であり、当事者であるというスタンスで舞台に存在していた。

『忘れじの恋』の完成を喜び、エーリッヒ(礼真琴)ルイーゼロッテ(有沙 瞳)の婚約?を温かく喜び、テオ(紅ゆずる)とジル(綺咲愛里)の横に立って「俺たちの映画」を歌い上げ、亡命するテオにフィルムを持たせ…。七海ひろきは、決めるところはちゃんと決めてくれた。決めるところは決められる、というのは大事なことなのだけれど、とても難しい。

怯むな日和るな貫き通せ。

その決めざまが私をときめかせる。

その決めざまの裏にどれだけのお稽古が、どれだけの汗と涙が、どれだけの喜びが隠されているか。ときめきという結晶を創り上げることが並大抵の事ではないことだけは理解できる。

宝塚の舞台に存在する男役(娘役)という夢。その様式美をいかに深く豊かに追求し、自分にしかないものを先鋭化させていくか。かいちゃんを見て、それがときめきの方程式だと思ったりするのです。