[Zuka] 2014年花組『ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編』(2)

『ベルサイユのばら』(池田理代子・連載1972~1973年)が大ヒットして、フランス革命と言えば、「ベルサイユのばら」、ベルサイユと言えば、ばら、と合い言葉のようになっています(なっているのか真実は知らないw)。

バラ園芸の歴史では、モダン・ガーデン・ローズの基礎と言われるハイブリッド・ティーローズの第一号「ラ・フランス:La France」が生み出されたのは、フランス革命(1789年)より80年近く後の1867年。モダンローズの発展に大きく寄与し、「ばらの母」と呼ばれるのは、ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌ。ラ・フランス以前のバラは、オールドローズと呼ばれ、つるバラ系統が多いそうです。

宝塚歌劇の上半期を振り返ると、星組正月公演ナポレオン→月組100周年記念公演 花詩集100本のバラ→宙組ベルサイユのばら、とバラづくしだったなぁと思い、書いてみました。

La_France
La_France

写真は、バラの情報サイト【ローズ・ブランシュ】からお借りしました。

→参考 ラの季節-3 [ラ・フランス:La France] ハイブリッドティローズ
→まいにち生活別館【バラの母 ジョゼフィーヌ|バラが咲いた♪バラが咲いた♪|note(ノート)  】

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花組『ベルサイユのばら』のオスカル役は芹香 斗亜、アンドレは望海 風斗役だった。若手スター伸び盛りの芹香 斗亜新生花組(←新生雪組になりますた)の2番手と目されている望海 風斗の組み合わせである。オスカルとアンドレの大恋愛が、『ベルサイユのばら』の醍醐味の一つであるだけに、フェルゼンとマリー・アントワネット編のオスアン(オスカル・アンドレ)の在り方を考えてしまった。

オスカル(芹香)は、フランスの行く末と王妃マリー・アントワネット(蘭乃はな)の身の上を案じて、フェルゼン(明日海りお)に王妃と別れるように忠告する。オスカルは、フェルゼンに恋心を抱いているのだが、自分のことはおくびにも出さず、真摯にフランスの現状をフェルゼンに訴える。

この場面は、ほんとに少女マンガのワンシーンのようだった。アントワネットとの秘密の恋を、オスカルにとがめられ、しかもルイ16世も気づいていると言われて動揺して激昂するフェルゼン。密かに慕うフェルゼンになじられてショックを受けるオスカル。

  • フェルゼン(明日海)。○〇(ギク、バレテル!?)
  • オスカル(芹香)「初恋の人、フェルゼンに怒られた。(しゅん↓↓)」

一幕のオスカル(芹香)は、フェルゼン(明日海)しか目に入っておらず、フェルゼンのためにと、スウェーデンへの帰国を勧める。しかし痛いところを突かれて激高するフェルゼンに、「見損なったぞ」「女でありながら女を捨てた君に」と言われて、しょげかえる。なんて素直なキキ・オスカル!!

そしてアンドレ(望海)は、オスカルに忠実な友としか思われていないと判っていても、付き従って見守ろうとする。常に暖かい笑顔を浮かべてオスカル(芹香)側に立つアンドレ(望海)は、年下の幼馴染みがぐんぐん成長して恋しているのを知って、自分の恋心も知ったよというような、奥手だけど頼りがいのあるお兄さんタイプ。個人の感想です(キリッ)。

望海 風斗にはぜひ大恋愛物をやって欲しいと思った。『エリザベート』のルキーニは、役としては好きなんだけれど、語り部だから絡みが少ない。今回もラブシーンないもんね。

さて、二幕に入ると、オスカルとアンドレのことは、ジェローデル(鳳真由)の回想として語られ、「毒殺」と「今宵一夜」の名場面が省略されている。鳳真由のジェローデルも良かった。真摯に王家に恩を感じて忠誠を誓っている貴族の面が出ていた。あとジェローデルの縦ロール髪を後ろで束ねて、頬から顎の辺りをすっきりさせていたのもGJ!縦ロールはくせもの(歌劇かグラフに自分で書いてましたが、丸顔なんだよね)。

ヅカ版『ベルサイユのばら』での主軸の二人のエピソードを割愛したことにより、今回の花組版は、「フェルゼンとマリー・アントワネットのための物語」として、はっきりと独立したスピンオフ形式になっていた。時系列とか史実(ヴァレンヌ事件等)を見て見ぬ振りしたザ・タカラヅカ・オリジナルだと思う。【標語】大事にしましょうフェルマリ編。

ごめん、この項、まだ書くよ。