4回目。明日海オスカルと龍アンドレの役変わり公演でした。どーしてもこの組み合わせが見たくて、かなり無理してチケットと日程を調整したが、観て良かった。好みもあるし、1か月近い公演をこなしているからかもしれないが、パワーバランス的には、このキャストが一番安定していた。
明日海 りおは、正統派フェアリー系男役だということを再認識した。音月桂が退団した今、100周年を目の前に、そりゃ、劇団が猛烈プッシュするのもすごく判る。
明日海オスカルは、凛々しく美しい正統派のオスカルだ。朝海ひかるのオスカルは軍神マルスだったけど、 明日海オスカルは、軍服を着ている「女性」だった。顔立ちは凛々しいけど、感情の吐露の表現がストレートに「女性」なので、実質女役のオスカルとして、とても良く合う。ストレートなオスカル像は(良い意味で)、一般受けするだろう。明日海 りおは、主役が似合う。両雄並び立たずって言うからね、組替えがプラスになることを願います。
そして、たぶん龍真咲が、タカラヅカの正統派男役の枠からはみ出しているんだな。顔立ちと体型はフェアリー系なんだけど、演技が骨太で、表現の幅が大きい(大芝居ともいう)。龍アンドレはめっちゃまぶしくて、歴代アンドレの中でも随一じゃないかという勢いで、キラキラさが溢れていて、登場したときはどんなアンドレになるのかと思った。龍真咲も自覚があるようで、意外なほど地道で落ち着いたアンドレ像で、キラキラさを押さえていた。
ただそこは、押さえようとして押さえ切れないトップの力量で、かなりキラキラしてました。これでオスカル役だと、龍真咲の独走で、アンドレ役は他組のトップクラスでないと、パワーバランスが崩れる(実際に崩れていたし)。アンドレ役だと、まだ枠に収まっている。国王謁見の場で、ブイエ将軍(越乃 リュウ)との衝突もムッとしつつも冷静という役所で、堅実にこなしていた。男役の所作はできているので、星条アランともバランス保っていた(体格差は如何ともしがたいが)。龍真咲は、期待に背かず、予想を外してくれるので、次がとても楽しみである。
ジェローデルは、珠城 りょうの表情がキリリとして、様になってきていた。顔立ち的にジェローデルの縦ロール鬘が合わない気がする。プロローグで、愛希れいかの横に立っている貴族の鬘とお衣装が似合う。
あとは、ちゃぴ(愛希)は確実にロザリーをものにしているし、脇を固めるメンバーの安定ぶりは素晴らしいし、プロローグの小公子の春海ゆう、小公女の咲妃みゆ・海乃美月も変わらず可愛かった。なので、月組公演としてのパワーバランスでは、このキャストがベターかと思った。ベストかどうかは、私的ベルばら月間はこれで打ち止めなので判らない。。oO (龍オスカルはすごく好きなので、オスカル編にしよう(笑))
2013年度版のベルばらは、数か所ヘンなところもあるけれども、全体として、すごく良かったと思う。ラストの空飛ぶガラスの馬車も効果的に仕上がっていた。宙乗りは、作中1回で押さえておくのが良いよ。
2月は雪組ブラックジャックと花組オーシャンズ11である。1月食い込みすぎたので、やや控えめにするのだ。
■月組(2013)
三井住友VISAカード シアター
宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-オスカルとアンドレ編-
~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~
脚本・演出/植田紳爾 演出/鈴木圭
- オスカル:明日海 りお
- ロザリー:愛希 れいか
- アンドレ:龍 真咲
- ジェローデル:珠城 りょう
- アラン:星条 海斗
- ベルナール:美弥 るりか
- ジャルジェ将軍:汝鳥 伶
- ジャルジェ夫人:花瀬 みずか
- ブイエ将軍:越乃 リュウ
- マロングラッセ:憧花 ゆりの