[Zuka] 2014年月組『New Wave!-月-』

New Wave!シリーズ?花組に続き月組編です。

”月組若手メンバーによるフレッシュなショー!”ということで、美弥るりかを筆頭に、宇月颯、鳳月 杏、珠城りょうがメインキャストで登場し、月組で上演された過去の名作からのメドレーやラテン、タンゴ、JAZZと歌いまくり踊りまくりの2時間15分(幕間25分含む)だった。構成は花組と変わらず最上級生の美弥るりかがソロを多く受け持ち、宇月颯、鳳月 杏、珠城りょうが、数場面ずつ分け合うショーである。

たぶん出演者全員が、こんなに歌ってこんなに踊ったのは初めてだったのじゃないだろうか。最後のあいさつのとき、メインキャストは放心状態に近く、言葉が出てこなくて、しどろもどろで、なんとか間をつなごうと四苦八苦していた。おつかれです(^^;)。

美弥るりかは全ツ『仁』の恭太郎役あたりから、柔らかな物腰の中に凄絶な色気を漂わせるようになっていて、燕尾服で深みを増した歌唱力を披露するさまはマダムキラー度数が急上昇している。今回は歌メインで踊る場面は少なかったが、細い身体で指の先まで神経の行き届いたパワフルなダンスも見応えがあって、凪七 瑠海とのW主演作で、星組育ち月組修業中のみやるりが、どんなに風に開花するか。楽しみ楽しみ。

宇月颯のはじけっぷりに新鮮な驚きがあった。全ツ『仁』で蘭方医を楽しそうに演じていたのが印象に残っていたのだが、この公演では笑顔全開オーラ全開だった。ポーズの決め方や目線の送り方も、「宇月颯」のスタイルを創り上げていて、センターで群舞を率いて映える。素直な役作りで、好感度が高く、2幕のリベル・タンゴは視線釘づけだった。としちゃんのこれからの活躍に期待!(全力で月組サイコーを表明する姿に、ちょっとともちんを思い出した)。

鳳月 杏は、クールな表情で冷たく女性を袖にする役ができる月組では貴重な存在かも。←褒めている。冷ややかな目で後ろめたさをみじんも感じさせず、女性(咲希あかね)をあしらい、さも当然の如く、別の女性(海乃美月)に乗り換える。中途半端にやったら、「あんた何様」で総スカンですが、その非情さや割り切りの良さの一切合切が「格好良さ」に収束されていくという。上手い。主演作を見てみたいと思う人の1人ですね。

珠城りょうは、咲妃 みゆとのクレセント・ムーンや鳳月 杏とのベサメ・ムーチョの絡みでは耽美&ダンディで、『月雲の皇子』とは違ったイメージを打ち出し、幅を広げていた。特に後者は男役同士でお互いの技のぶつけ合う緊迫感が漂い、手に汗握る大人の駆け引き感があるデュエット・ダンスで見応えありまくりだった(鳳月のおみ足も含めてw→写真)。群舞になるとホッとするのか、表情が若干ゆるめになる辺りに、「まだ研6」感が出ていて微笑ましかった。

貴千 碧(たかち あお)のきれっきれっダンスとか、千海 華蘭(ちなみ からん)のソロとか、輝月 ゆうまの安定ぶりとか、咲妃 みゆの芸達者ぶりとか、晴音 アキのシンガーぶりとか見所を挙げていけばキリがないのだが、客席降りで見た朝美 絢は、やはり美形でした。その美形っぷりをもう少し押し出しても許されると思ったですよ。新人公演はお芝居中心なので、こういう若手メインのショーを体験する機会があって、嬉しかったですね。歌劇団(上層部)に感謝を。それで、「雪」「星」「宙」のNew Wave!は あるのでしょうか???待望。

『「New Wave!月」感激日記』 via FM宝塚 レビュー・ステイション