[diary]COVID-19パンデミック雑記(2)対人距離を取れ social distancing

新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )の典型的な症状については国立国際医療研究センター 忽那賢志先生の記事がわかりやすいです。いらすとやさんのイラストがかわいい。


新型コロナウイルス感染症では風邪のような症状から始まります。
風邪のような症状とは、微熱を含む発熱、鼻水、鼻詰まり、ノドの痛み、咳などです。

中国の4万人のデータの報告によれば、患者の8割は重症化に至らず治癒するようです。数日~1週間以降に2割弱の患者では、肺炎の症状が増強し入院に至ることがあります。約5%の症例で集中治療が必要になりICUに入室し、2-3%の事例で致命的になりうるとされています。


WHOは、3月11日に新型コロナ・ウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行(パンデミック)が起きているとの認識を表明しました。

2月の半ば頃、私のCOVID-19(コビットナインティーナイン)の印象は、危険度はSARSほど高くなさそうだけど、感染力はインフルエンザより強そう、というものでした。これは今も変わっていないのですが、COVID-19 の特徴が明らかになるにつれ、厄介なウイルスだなぁという厄介度が増した気がしてます。

COVID-19を引き起こすウイルスである新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、自覚症状はないけれど感染している人(※)の潜伏期間に、ウイルスを排出していて他者に感染している可能性が高い、というもの。

自覚症状がない人の大半は、自分は元気で感染してないと思っていると思います。でも実は感染してて、周りに感染を広げている可能性が高い(1)というのが、このSARS-CoV-2(サーズシーオーブイツー)の厄介度の高いところです。

(※)呼び方は、無症状病原体保有者、無症候性キャリア、不顕性感染、無症状感染者など、ばらつきあり。


(1)【新型コロナ 発症前の患者からクラスター発生】(2020/4/14・日経Gooday)
(2)【COVID-19は発症2-3日前から直後が感染力のPeak】(感染症診療の原則 青木眞)


ドイツやオーストリア、アメリカでの大規模調査で、公表されていた感染者数の数倍の潜在的な感染者がいたという報告がなされています。潜在的な感染者は無症状のままだったんでしょう。その潜在的な感染者を母数に入れると、致死率が下がったそうです。致死率0.2%未満

上記の理由から、自分が感染しないように気をつけるだけではなく、自覚症状がなくても自分がすでに感染しているかもしれないと考えて、感染を広げない工夫をすることが推奨されています。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、自覚症状の有無に関わらず、

  • 個人の衛生状態を向上させること。手洗い、うがい、マスク、身の回りの清潔。
  • 他人と一定の距離を保つ「社会的距離」(social distancing)の対応を推奨です。

「社会的距離」とは、他人との物理的距離を2メートル開けるという考え方です。対人距離をあける、パーソナルスペースを広げる。

すでに、お店で列に並んで待つ場合は、立ち位置の目安として床にテープを貼っているところや、座って待つ場合は、座席を1つ空けて座るように目印がつけてあるところが多くなっています。日本のせせこましさでは限界はあるのですが、できるだけ距離を空ける。

こう書いていると、劇場も「ポスト・コロナ」に向けて、対策を講じていく必要があるのだろうと思います。サーモグラフィーと検温、アルコール消毒剤による手指消毒等の対応だけではなく、設備的な対策も必要になってくるんだろうなと。

飛沫を避けるためには、社会的距離は2メートル以上推奨
飛沫を避けるためには、社会的距離は2メートル以上推奨

2009年の新型インフルエンザ(インフルエンザA/H1N1)の流行も、WHOはパンデミック(フェーズ 6)と認定しています。

(2010年5月21日)214の国と地域で感染を確認、死亡者数は18,097人以上【ソース】(PDF)

COVID-19によるパンデミックは、現在進行形で、(4/20 14:00)、193の国と地域で計約240万人余りの感染が確認され、回復者は約62万人、死者数は約16万5千人だそうです。国内では感染者は10,807人、回復者は1069人、死者数は238人。

→【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)マップとデータ(Google)

2009年パンデミックを遥かに上回る感染者数と死者数。

感染して闘病中の方々が1日も早く回復されますよう。
お亡くなりになった方々に哀悼の意を表します。

2000年頃はインフルエンザ・パンデミックが来るぞ来るぞと言われていた覚えがあります。そのため、2009年に新型インフルエンザ・パンデミックが起きたときに、国内にはインフルエンザの診断キットもワクチンもあり、抗インフルエンザ薬も備蓄されていた。日本の致死率(死亡率)は0.16%と世界最低だったそうです。ソース】(PDF)

COVID-19によるパンデミックは史上初。薬もワクチンも診断キットもないし、1918年のスペイン風邪の頃みたいねって思いました(スペイン風邪の時代には生まれてなくて本で読んだくらいです)。スペイン風邪は、世界人口の3割に当たる5~6億人が感染し、死者4000~5000万人を出したと言われるインフルエンザ・パンデミック(1918年~1920年)です。

2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の中国でのアウトブレイクと2015年のMERS(中東呼吸器症候群)の韓国での感染拡大というコロナウイルス由来の感染症が国内で発生せずに、鳥インフルエンザや口蹄疫も拡大はしなかった。それで、COVID-19のパンデミックがいきなり来た気がするんですよね。

誰が感染しているかわからない。自分も感染している。その前提で行動するのが手っ取り早い。Stay Homeは前向きに。


メモ:WHOがパンデミック宣言をしていないパンデミック