今日は、北翔海莉ビルボードライブ『Music Palette』@大阪に行き、みっさまの歌声&パフォーマンスに酔いしれてきました。
大劇場公演中の花組の新人公演も今日だったので、気になっていたのですが、無事に終わったようです。マイティ(水美 舞斗)、新人公演主演おめでとう。良かったね。
さて『TOP HAT』感想続き。
『TOP HAT』は絶品のラブコメディで、主役のジェリー・トラバース(朝夏まなと)とデイル・トレモント(実咲 凜音)は微笑ましいHappyを振りまきながら、すれ違い騒動を繰り広げる。だけれど、二人のすれ違いだけでは笑いは取れない。
全編を通して、笑いを背負っているのは、ジェリーのロンドン公演をプロデュースするホレス・ハードウィック(七海ひろき)とその付き人のベイツ(寿 つかさ)である。
1幕での登場時のホレス(七海)は、髭を蓄え、見た目はばっちり。渋い。しかし、奥さんの尻に敷かれていそうな割には、酔っ払って「○○卿が言ってたぞ。妻は若いのと取り替えたほうが良いってな。ワッハッハッハ」(大意)とか言ってる。これは地雷を踏むおじさんタイプ!と思ったら、やはり踏んでいた。
妻マッジのお薦めで付き人にしたベイツ(寿)の機嫌を損ねていたのだ。
夕食後にホテルの部屋に、ジェリー(朝夏)を連れて戻ったホレス(七海)を、とことんスルーするベイツ(寿)。ホレスがコートを脱ごうとしても無視して、ジェリーのコートを受け取りに行く。飲み物のグラスにも、ジェリーには注ぐのに、ホレスの分は無視。
なんだろう、この変なボケと突っ込み感。
ベイツの一徹な変人ぶりが、ホレスのヘタレ感を倍増させる。
ホレス(七海)は「これがベイツだ。あきらめよう」とグッタリとソファに座り込んでいるのに対し、ベイツ(寿)は「わたくしは、正しいのです」と背筋まっすぐで立っている。
そしてジェリー(朝夏)が、それを「僕はベイツに気に入られたらしい」とまったく他人事で笑いを含んでみているという、微妙な相関図が一瞬で見て取れて、笑いを誘う ( ,,>З<)
笑いには対比と落差が重要なのだな。
(って、書いていたら、タカニュで突撃レポが始まったのでちょっと吹いた)。
2幕の笑いは、ベイツ(寿)がピン芸人として独立してもとい独立行動で受けをとり、ホレスは妻のマッジ(純矢 ちとせ)と組んで夫婦漫才を繰り広げる。そして最大の(笑いの)山場は、アルベルト・べディーニ(愛月 ひかる)の肩に掛かるのだが、これは隠し球だった。
初日、え?「愛ちゃん、何するの??」と観ていた観客を呆然とさせた、愛月ひかる。
3月にスカステで放映されたバウ公演『SANCTUARY(サンクチュアリ)』(2014/09)の印象が残っているだけに、してやられたというか、なんというか、かんというか。愛ちゃん、自覚しちゃったんだね。そういや、言ってた。
「他組では私より2期下でも(バウ主演を)しているので、正直、驚きはなかったです。むしろ、決意の方が大きかった」
「(主演の)私が悩んだらだめ。私が絶対的な自信をもってやらないことには、みんな、ついてこられない。」
プレシャス!宝塚「2歳から貫く宝塚愛/愛月ひかる」
Latins Know Howを熱唱する愛月ひかる。その決意が格好良すぎで、歌声にも深みが出ていたけれど、役者としても大きく飛躍したんじゃないだろうか。愛ちゃんの次回作が楽しみ。