評判の良い、2006年雪組版『ベルばら オスカル編』をタカラヅカ・オン・デマンドで観た。
オスカルは朝海ひかる、アンドレは水夏希(役替わり)。ロザリーとベルナールの場面以外は、公演中の2013年月組版とストーリー構成はさして変わらない。朝海オスカルは、骨太で、「軍神マルスの子として生きましょう」と言った、己の道に確信を持つ堂々としたオスカル像を作り上げていた。朝海が脂ののりきったトップスターの輝きを思う存分発揮している。
水アンドレは骨太で野性的。渋くて苦悩が似合う大人のアンドレで、あおきのイメージぴったりでした。
ロザリー(舞風りら)はまだジャルジェ家で働いていて、オスカルに片思い中で登場。トップ娘役の舞風りらの場面を創るために苦心したんだろうなと思うがこのバージョンでは、ロザリーはいなくても話が成立する。
2013年バージョンのロザリーは、登場時点ですでにベルナールと結婚していて、出番は少ないが、位置づけがはっきりしている。市民活動をする夫ベルナールを支え、貴族にもオスカルのような理解者がいることを訴え、市民ベルナールと貴族オスカルをつなぐ役目を負っている、自立したロザリー像だった。
ベルばらは、男役トップ(オスカル)がヒーロー兼ヒロインで美味しいところを全て持って行くので、トップ娘役の処遇は難しいと思うのだが、ちゃんとストーリーの中に位置づけてあげて欲しい。
■雪組(2006)
マリー・アントワネット生誕250周年記念
三井住友VISAシアター 宝塚グランドロマン
『ベルサイユのばら』~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~
脚本・演出/植田紳爾 演出/谷正純
- オスカル:朝海ひかる
- ロザリー:舞風りら
- アンドレ:水 夏希
- ジェローデル:貴城けい
- アラン:音月桂
- メルキオール:壮一帆
- ベルナール:未来優希
- ジャルジェ将軍:星原美沙緒
- ジャルジェ夫人:矢代 鴻
- ブイエ将軍:一樹千尋
- マロングラッセ:灯 奈美