6月29日に、宝塚ホテルファイナル企画第1弾の★貴千 碧ダンストークライブ♪に行ってきました。
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Manちゃんこと貴千碧(たかち あお)さんは、元宝塚劇団・月組の男役で、『グランドホテル』で退団。今は、東京・大阪でストレッチやジャズダンスのワークショップなどを行う傍ら、佃煮屋「三和食品」代表として「喜昆布」ブランドのプロデュース・製造販売を担う、自称:踊る佃煮屋さんです。公式Web:Office Takachi
『1789』や『アーサー王』などでのManちゃんの芝居と踊りが好きだったので、退団後にManちゃんが開催したストレッチ教室に何回か通わせて頂きました。同期(91期)のちゅーちゃん(咲希あかね)との娘役ヘアアレンジ教室とかもありましたね(私は未だに三つ編みも苦手です)。
気さくでフレンドリーでチャレンジ精神が旺盛なManちゃんは教えや代表業のほかに、OG制作の品物を集めて展示即売会(パブリックショー)を開催したり、みっさま(北翔海莉)のディナーショーに出演したりと活動の幅を年々広げていて、私にとって退団後のタカラジェンヌのロールモデルの一人です。今は、おしゃれでエネルギッシュで行動的なキャリアウーマン。
壱城あずささん(@shiiran1012)と仲良しで、10月12日(土)の壱城あずさ Birthday Talk&Live(如水会館)にもゲスト出演予定ですね。
そのManちゃんが、ランチショーで踊ってくれるというので、これは行かねば!と思って駆けつけました。
ゲストは、元雪組の星乃あんりさん(@hiyo_anri__insta0908)(95期)とボーカリストのYUKOさん(http://yuko.club/)
歌って踊れる娘役あんりちゃんとManちゃんは退団後に仲良くなったそうで、現役時代よりさらに洗練されて歌も踊りもうまくなってました。ボーカリストのYUKOさんは現役時代のManちゃんのファンで退団後にストレッチ教室に通われたのがきっかけとか。
宝塚ホテル3階の琥珀の間の真ん中で、Manちゃんが踊り、ゲストのお二人が歌ってくれるという贅沢な空間でした。「僕こそミュージック」や「おひさま」をYUKOさんが歌う声に聞き入り、Manちゃんが踊るのを見ていたら1時間があっという間。人間の体が跳躍する、自在に動かせるってすごいことだ。誰かを楽しませる、もてなすというスピリッツが満ち溢れたパフォーマンスでした。ボーカルもね、プロが自分のスタイルで歌うというのはこういう事なんだなと学ぶことがありました。✨楽しかった。✨
演出は沢口千恵さん、ピアノは古垣未来さん、振付は小田島夏希さん。
Manちゃんからのサプライズ☆お手紙
Manちゃんがあんりちゃんと一緒に各テーブルを回って、直筆のお手紙を一人ひとりに配ってくれるという、驚きも驚きのプレゼント。✨めっちゃ嬉しい。✨ありがとうございます。✨
近所のジムに通うようになっているのですが、またストレッチやパブリックショーに顔を出したいなとはずっと思っています。
贔屓(七海ひろき)の退団に触れて、「男役を見れなくなるのは寂しいですね」と気遣って頂きましたが。ががが、退団後4か月近く経っても現役時代より男役度150%増しくらいでブイブイいわせてる七海ひろき(hiroki773.com)がいるので、「寂しい」という気持ちより、この人はどこへ行くんだろうという思いで見ています。
SNSが発達し、InstagramやTwitterで、退団後のOGが、様々な第二の人生を歩まれている姿をお見かけするようになりました。1年前まで男物しか着ていなかったのにとか、すっかりキレイなお母さんだねとか、いろいろ思います。
宝塚の男役というのは、女性が男性の服装をして、舞台で男性の役を演じ、現実の男性と異なる「夢の世界の」「理想の」男性像を創り出していく。そしてそれに呼応して娘役は、「夢の世界の」「理想の」女性像を創る。
外部の公演で本物の男性が演じる役を、宝塚では女性である男役が演じる。
宝塚をよく知らない人はそれを「倒錯」と言ったりするのですが、私は「男役」「娘役」という役割を使って、表現の高みに駆け上がろうとするタカラジェンヌ達をリスペクトしていて、大好きなのです。
「男役」は、女性が男役の特性を習得した上に舞台上の役作りをする。男役10年と言われるように、一定のレベルに達するのに時間が必要です。「娘役」には「娘役」の難しさがあり、娘役も10年選手となると娘役力の蓄積が尋常じゃない。
タカラジェンヌ達は、退団と同時に男役も娘役もその役割を解かれ、多くは自分が居心地の良い形態を取り、第二の人生を歩んでいく。私は男役・貴千碧が、キャリアウーマンの踊る佃煮屋Manちゃんになっていく姿を見ているので、贔屓についても覚悟していたのですが、七海ひろきは表現者として歩むために男役の形態を取ったままです。
七海ひろき、東京のお茶会で「男役最後」と言っていたらしいですが、全然最後ちゃうやんっていうツッコミをしながらも、宝塚歌劇という秘密の花園の女社会を出て、日本の男社会に足を踏み入れたときに、「男役」という形態を取るのは有効かもしれないと、退団後の姿を見ながら考えたりしています。
男女平等という概念は明治時代よりは進化しています。けれど、令和になっても性差別や「男は男らしく」、「女は女らしく」というジェンダー・バイアスは社会の到るところにあり、それは性別役割分業に繋がっている。宝塚歌劇の「男役」「娘役」もそのジェンダー・バイアスに乗っていますが、日常生活での性別役割分業と異なることは、「男役」「娘役」は芸であり、タカラジェンヌ達は芝居・歌・踊りに通じたプロフェッショナルとして、男役芸、娘役芸を見せているということです。
それが退団して男役という役割を解かれると、いきなり「女は女らしく」の対象になってしまう。それが慣習であっても、理不尽なことには違いない。
今の七海ひろきにとって、ボーイッシュでもメンズライクでもなく、「男役」という形態で芸能活動をするのが合うのならば、それはそれで「女は女らしく」という固定概念を退けて、自分の芸や人間性を見せるのには適しているのかな、と思ったりします。
まぁ、男役には、「男は男らしく」というバイアスは存在していると思うので、人間はどうあがいてもバイアスからは逃れられずに四苦八苦してバランスを取りながら生きていくのだ、とも思いますけれどね。
「男役」「娘役」に関わらず、タカラジェンヌOG達はタフでエネルギッシュで、新しいジャンルを切り開いていく。社会は時々刻々で動いているんだなぁと、ほんと頼もしい。大好きです。
貴千碧ダンストークライブでのランチ@宝塚ホテル
ランチショーでのフルコースです。フルコースを食べるのは久しぶり。お肉が美味しかった。デザートもベリーとチョコレートがマッチしていて美味。
- (前菜)マリネサーモンのタルタル
☆グリンピースのピュレとグレープフルーツのクリーム - (スープ)スープピストー
- (魚)海藻のクルートをのせた鰈のオーブン焼き 白ワインソース
- (肉)牛ロース肉のロティ マデラ酒風味
☆彩りの温野菜とドーフィネ風ジャガイモのグラタン添え - (デザート)フランボワーズショコラ
- (カフェ)コーヒー