『ファンシー・ガイ!』のテーマソングFancy Guy!やSuper Budは嫌いじゃない。昭和の懐メロっぽいシンプルな曲調も全体に馴染んでいる。
エルビス・プレスリーがテーマのファンシー・スパゲティCM撮り場面には、伸び盛りの彩凪 翔と彩風咲奈、そして台頭著しい月城かなとや永久輝 せあ。どの顔も、多かれ少なかれ緊張がみられて、歌声もやや堅い。がんばれ(笑)。客席降りでガンガン会場を沸かせる、鳳翔大と蓮城まこと。中堅どころはそうでなくっちゃw
ドイツのキャバレーの場面では、望海風斗が歌い、早霧せいなと夢乃聖夏が妖艶に踊りだす。そこへ、美しい女性(彩風咲奈)イリュージョンが登場し、早霧せいなと見つめあう。デュエットから、タンゴへ。成熟した退廃的な香り。
彩風咲奈は、足の踏み出し方にも緊張が見えた。ミニの肩だしワンピースだし、男役としては緊張して当たり前だと思う。ただ咲ちゃんは、ショーでの男役としてのたち方も不安げになっている気がして、『パルムの僧院』を経験して、自分のスタイルに迷う時なのかもしれないなと思ってみている。
中詰のフランク・シナトラメドレーでは、まず鳳翔大が登場し、「コーヒー中毒さ」(Frank Sinatra _ The Coffee Song)と歌って銀橋を渡る。大茶情報では、「コーヒー中毒」は、「彼女に中毒さ=君に夢中さ」的な比喩らしい。馴染みが薄くて、会場内が静まる。中詰なので、せめて手拍子ができるようなリズミカルさが欲しかった(汗)。
第13場”ザッツライフ”は、『ファンシー・ガイ!』でいちばん好きな場面。→Frank Sinatra – That’s Life
ライフシンガー男:香綾しずると、ライフシンガー女:舞咲りんの歌声に、ライフコーラス(千風カレン、此花いのり、愛すみれ、花瑛ちほ)が響き、雪組生が群舞を展開する。続いて、早霧せいな、夢乃聖夏、望海風斗が登場して、真ん中で、踊りまくる。
グレイのスーツを着た早霧の両脇に、青と水色のスーツのともみん(夢乃)とだいもん(望海)が踊る。ピンクのお衣装を着た組子の笑顔が素敵にはじけている。
ただね、ふと気づくと、咲妃みゆがこの場面に出ていないのだ。この場面は、早霧、ともみん、だいもんの並びが嬉しくて、良い場面だなぁと思っている。だからこそ、組子達に混じって、咲妃みゆも笑顔で踊っていて欲しかった。お祝いしたいんだから、素直に祝わせろー!!宝塚歌劇のショーは宛て書きが基本だと思っているので、気になるのだよね。
スーパーデュオの夢乃聖夏と望海風斗のTime To Say Goodbyeが、フィナーレを告げ、第19場アダージョの黒燕尾へ。大階段に佇む早霧の後ろから、夢乃ともみん、望海だいもんがユニゾンで踊り、組子が増えていき、黒燕尾を来た男役が勢揃いする。退団する帆風 成海が、夢乃ともみんと早霧に並ぶ。
雪組は、ここから新たなるスタートを切るんだなぁと思う黒燕尾の群舞でした。トップスターの交代によって、代替わりやブラッシュアップが露わになるのが、お披露目公演で、ここからまたひとつひとつ組み立てていくんですね。
早霧せいな様・咲妃みゆ様、宝塚大劇場お披露目公演おめでとうございます。