[Movie] 映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』

7月22日(土)~8月7日(月)まで梅田芸術劇場で公演していた星組『オーム・シャンティ・オーム-恋する輪廻-』。仕事の合間に突っ込めるだけ突っ込んで観劇しました。充実した公演期間だった。楽しかった。

1月に国際フォーラムで上演したときも1回遠征したのですが、その時は紅&綺咲コンビのプレお披露目公演ということで、とにかくお祭り!華やかで楽しければおっけいと思って見ていましたが、実は歌とお芝居の荒れは気になっていた。頼むよ!星組上級生!!と思ったことは内緒だっ!←って、全然、内緒にしていませんが(笑)。

今回の再演にあたって予習で映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(原題・Om Shanti Om)を観て、映画版の深さにやられまして、宝塚版を星組に合わせたものに換骨奪胎した小柳 奈穂子氏の手腕には相変わらず敬服しました。

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[movie] 『風立ちぬ』

遅ればせながら、宮崎駿が原作・脚本・監督を担当した『風立ちぬ』(スタジオジブリ)を観た。賛否両論で、意見が激しく別れているという評判の作品で、『コクリコ坂から』(企画・脚本:宮崎駿、監督:宮崎吾郎)【→感想】が全く合わなかったため、本作品も、合うかなぁ、2時間耐えられるかなぁと不安を感じつつ、観た。

そして、見終わった後の感想。

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[movie] 『終戦のエンペラー』

ピーター・ウェーバー監督の『終戦のエンペラー』を観てきました。史実をもとにフィクションを交えて、「”自らと異なるもの”を理解することはできるのか」をテーマにし、終戦後の日本が、今後、国として、どのような道を歩んでいこうとしたか描いた佳作でした。【終戦のエンペラー 公式サイト

終戦のエンペラー ポスター

終戦のエンペラー ポスター

原作はノンフィクション『終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし』(岡本 嗣郎、集英社文庫)である。>本作で目新しいのは、連合国軍最高司令官マッカーサーの副官ボナー・フェラーズ准将と恵泉女学園の創立者である河合道との関係を描いたところだ。フェラーズは、日本国の戦争責任者を調査し、天皇不起訴を進言する覚書を提出したという人物で、河井道は日本国民が天皇に抱いている敬意や思慕の念をフェラーズに説明し、覚書の作成に大きな影響を与えたという女性である。

映画は、原作(史実)を元に脚色が加えられ、フェラーズ(マシュー・フォックス)と河井道をモデルにした日本人女性アヤ(初音映莉子)とのラブロマンスが挿入されている。アメリカ・ハリウッド映画だが、プロデューサーは奈良橋陽子、監督は、ピーター・ウェーバー。

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[movie] ふがいない僕は空を見た

シネ・リーブル神戸のレイトショーで観てきた。原作の『ふがいない僕は空を見た』(窪美澄 新潮社)は、R-18文学賞大賞および2011年山本周五郎賞の各賞を受賞し、2011年本屋大賞2位および本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位となっている。原作も鑑賞後に読み終えたのだが、今回は映画の感想のみに留めておく。

起承転結がきれいについているドラマではなく、日常の出来事を切り取って2時間半の枠に収めた、というシロモノで、セリフや説明がぎりぎりまで省略され、観客側に解釈を委ねる形になっている。そのため、結末がどこに着地するか想像がつかず、2時間半の間、集中し続けて、タカラヅカ公演を3回見るより、エネルギーを消耗した。あと内容について予備知識を持たずに観に行ったので、時系列が判らなくなったり、人物を間違えて途中混乱したりしたのもあるかな。

中身にあまり言及するとネタばれになるので、印象に残ったことだけを書き留めておく。 Read more

[movie]コクリコ坂から

コクリコ坂から』(企画・脚本:宮崎駿、監督:宮崎吾郎)。1月11日(金)『金曜ロードSHOW!』』で初見。そしてもう観ないであろう。

なぜかというと、うーん、難しい。というのも、『コクリコ坂から』は、基本的にストーリーに破綻はない。そしてグラフィックは港町をレトロな情調を込めて、美しい色彩で描いている。登場人物たちの表情の変化は、丹念で細やか。16歳の少女と17歳の少年の、無鉄砲さを伴ったみずみずしさ・前向きさを鮮やかに浮かび上がらせる映像は、初監督作品『ゲド戦記』(→【感想】)で垣間見えた、宮崎吾郎テイストだと思う。

ただ、 Read more

[movie] マイケル・ムーア「SICKO」

公開初日のマイケル・ムーア監督「SICKO」を見てきました。
いきなりブッシュ大統領のアップで始まった。マイケル・ムーアはよっぽどブッシュ大統領を愛しているらしい(笑)。

さて、「SICKO」はアメリカの医療制度をテーマとしたドキュメンタリー。シニカルなコメディとパロディを交えて笑いを取りながら、アメリカの医療制度の悲惨な現状を露わにしていく。マイケル・ムーアらしく恣意的な構成や統計的なデータ抜きにした扇情的な煽り、ドン・キホーテのごとき突撃精神とヒューマニズムにあふれている。社会保障制度との比較での他国の取り上げ方も、カナダ、イギリスときて、フランス、とどめにキューバ!を持ってくる辺りもあざとい。

アメリカは国民皆保険ではない。医療サービスを受けるには、健康保険を民間保険会社から商品として購入(契約)することが大前提となる。健康保険プランには種類があるが、メジャーなのがマネジド・ケアであるHMO(Health maintenance organization)である。マネジド・ケアにより医療費に厳しく制限を設けているHMOの悪評は高く、「SICKO」で取り上げている事例はHMO のものがほとんどだと思われる。

アメリカでは過去に、ヒラリー・クリントンによる国民皆保険の導入提案を、「社会主義的管理医療」とよってたかって弾劾して潰している。マイケル・ムーアは、カナダ、イギリス、フランスを回り、「国民皆保険」=「社会主義的管理医療」というイメージを崩していく。

そして、真打ちはバリバリの社会主義国キューバである。アメリカが長年、経済制裁を行ってきた仮想敵国!その国の制度とアメリカの医療制度を比較。どう見てもアメリカの医療制度がキューバに負けているのである。アメリカ人のショックは想像に難くない。
構成も脚本も良く錬られていて、エンターテイメントとしてもプロパガンダ映画としては面白い。マイケル・ムーアは確信犯だよ。

[movie] ゲド戦記

ようやく観た。

なんだ、ふつーじゃん。

グラフィックの美しさはまぁジブリの質が保たれているし、監督第1作目にしてはよくやったほうだと思いました。
テーマを台詞だけで説明しきっちゃおうとするところとか、間が空きすぎたり、テンポがとろかったりするところとか、世界観がみえないとか、いろいろ気になる点はあるけど、まぁ、素直な感性がにじみ出ていて、悪い出来ではない。というより、素人が監督になったにしてはよく出来ていると思います。 

印象に残ったシーンは、テルーが歌うところ、アレンが剣を鞘から抜くところ。好きなところ、ゲドの声(菅原文太)、テルーの唄(作詞:宮崎吾朗、作曲:谷山浩子、歌:手嶌 葵)。 
テルーが歌うところは挿入歌が延々と続いて長いなぁと思っていたのに不思議に印象強いのだ。歌うテルーの横顔から目をはなせないアレン。不安定なアレンの心にテナーがしっかり根を下ろした瞬間がくっきりわかるシーンだ。

キャラクター造形があまりにも宮崎駿ちっくなので、紛らわしいが、これは、【雑誌『インビテーション』4月号採録 「鈴木プロデューサー ゲド戦記を語る(1)」】によると鈴木敏夫プロデューサーの提案らしい。これだけじゃなくて、【世界一早い「ゲド戦記」インタビュー(完全版)】を合わせて読むと、あちこちに鈴木プロデューサーが仕掛けを施していることが判る(この2つのインタビューをジブリ公式サイトに公開して、仕掛けの内幕を見せることを含めて!)。

例えば、原作にはない「父親殺し」のモチーフ。これもある意図を持って挿入されたという噂がたっているが、映画の話題作りにはいいネタでしょうが、ストーリー的には余分。『原作「ゲド戦記」、原案「シュナの旅」』とクレジットしてある時点で、もはやル=グウィンの原作とは別物なんだから、「父親殺し」とかの余計な部分を削って、クモとアレンの対決を中心の勧善懲悪ものにしちゃって、もう少しに絞ればもっとすっきりしたものになったんじゃないだろうか(私はル=グインの原作を読んでないので、原作には思い入れがないののだ)。

プロデューサー的には映画の完成度よりネタ作りをとったんだろうなぁという印象を強く受けました。宮崎駿や高畑勲のジブリ作品より作品の質が落ちるのは最初から判っていることだから、何より話題を作って客を呼んで、興行的に成功させることを目指した。だって、作品もダメ興行的にもダメじゃ、事業は成り立たない。しかしここで興行的には成功しておくと次に繋がる。と、考えると、なんだか戦略としてはとっても正しいのかもしれませぬ。

というわけで鈴木プロデューサーに座布団1枚。宮崎吾郎監督にはエールを送ります。

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